バックアップが必要な理由

PLCが何かの拍子にダウンしてしまった場合、中身のプログラムが取出せなくなってしまうことも少なくありません。そういったときには、バックアップさえあればすぐに対応できるようになります。

また、プログラムを新規、もしくは改修している場合、作られたプログラムが常にうまく作動するとは限りません。おかしな動作をしてしまった時や全く動かなくなってしまった時など、元の状態に戻したい場合にも、バックアップをとっていれば安心です。こまめにバックアップをとっていれば、改造前に確実に動いていた状態に戻ることができ、そこからまたやり直すことができます。

このようにバックアップを取ることは、メンテナンスや機械制御の保持のためだけでなく、改造プログラムを作る人達のためにも重要なことです。

 

プログラムのバックアップ管理

プログラムの管理をする場合はメーカーのアプリケーションソフトを使用し、バックアップを作成します。

バックアップの手順等は各メーカーのアプリケーションソフトにより少し異なりますが、今回は三菱のシーケンサを例に説明したいと思います。

 

三菱のシーケンサ MELSECシリーズのバックアップ方法

まずはじめに、通信テストを行います。

1、GX Developerを開きます。GX Developerとは三菱製品のアプリケーションソフトです。

2、オンライン→接続先指定をクリック。

3、「接続先指定」のダイアログボックスが表示されます。

ここでパソコン側の接続方法とPLC側の接続方法を指定します。
接続方法には、USB接続、Ethernet接続など多数ありますが、今回はUSB接続を指定して進めます。
パソコン側I/FはシリアルUSBを選択します。すると「パソコン側I/Fシリアル詳細設定」というダイアログボックスが出てくるので、「USB」をクリックして「OK」ボタンをクリックします。
PLC側I/FはCPUユニットを選択します。

4、「通信テスト」のボタンをクリックし、接続先指定したCPUユニットと通信ができるか、テストを行います。

5、接続先指定が正しく、正常に通信テストが行えた場合、CPU形式が表示されるので「OK」をクリックします。

6、「OK」をクリックして「接続先指定」のダイアログボックスを閉じます。

以上で通信のテストが完了しました。

 

次にプログラムを読出し、保存します。

1、オンライン→PC読出しをクリックします。

2、「PC読出し」のダイアログボックスが表示され、「パラメータ+プログラム」をクリックします。

3、プログラムとパラメータにチェックマークが入ったら「実行」ボタンをクリックします。

4、パソコン上にプログラムが存在している時、確認メッセージが表示されるので、上書きするために「全てはい」をクリックします。

5、読出しが完了したら「OK」をクリックします。

6、「閉じる」ボタンをクリックし「PC読出し」のダイアログボックスを閉じます。

7、プロジェクト→プロジェクトの名前を付けて保存をクリックします。

8、保存場所を指定し、ファイル名を入力します。

この時のファイル名に、日付・時間などを付けておくと、後で分かりやすくなります。

9、「保存」ボタンをクリックし「新規にプロジェクトを作成してもよろしいですか?」と表示されるので「OK」をクリックします。

以上で読出しから保存までが完了しました。

 

この手順で保存をしてPCやメモリースティックなどで管理してください。

 

今回は三菱の場合を例に説明しました。他社のPLCの場合は若干、手順や表記の仕方が異なりますので、メーカーが出しているマニュアル等を参考にして下さい。

もしどうしても解らない点がありましたら、お気軽に弊社までお問合せください。

弊社スタッフも、全てのメーカーの操作方法をカバーできる訳ではありませんが、できる限りご相談には応じます。

バックアップの管理は他社のPLCであっても、三菱と同様にPCやメモリースティックなどで管理することができます。

制御技術G 齋藤