top-img

以前の弊社の投稿記事の中にタッチパネルの接続についての記事がありましたが、今回はタッチパネルとはどのようなものかを説明していきたいと思います。

参照⇒「MELSEC-Qシリーズと外部機器(タッチパネル)との接続」

タッチパネルとは

タッチパネルは表示と入力の2つの機能を備えており、コンピュータなどの外部から受けた画像情報を液晶ディスプレイなどで表示すると共に、操作者がその画面をタッチしたりして操作を行うものです。
操作者は画面に表示された部分を押したり滑らせたりするなど、操作が直感的に理解しやすいため、扱いやすい装置を自由に作る事が可能です。
現在ではスマートフォンの普及により身近なものとして感じられていると思います。
銀行など金融機関のATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA)、デジタルオーディオプレーヤー、携帯ゲーム機、コピー機、ファックス、カーナビなど、デジタル情報機器を中心に使用されています。工場FAの現場でも多くの機器を制御すためのコントロールパネルとしても利用されています。

タッチパネルの長所、短所

長 所

① 画面上の操作説明に入力動作が対応するため、直感的に分かりやすく、操作が簡単になる。
② 入力装置と表示装置が一体化されるため、装置全体の小型化が期待できる。
タッチパッドやポインティング・スティックでのソフトウェア・キーボード入力よりも入力が早い。
③ 物理的なボタンがなくとも、ソフトウェア次第で多彩な操作性を実現できる。
④ この装置は使用者が画面の操作手順を見ながら操作できるために、機械操作を誰にでも扱いやすくする事ができるという点で優れている。
画面表示を随時切り替えることで、1つの画面上で多様な操作指示に使用できるので、装置全体の小型化が期待できる。

短 所

① 汚れで画面が見えにくくなることがある。ほこりが舞うような場所では注意が必要。
② 指先での細かな操作を苦手とする方式では、意図しない選択を検出することがある。
判定を厳しくすると、強く押さないと検知されないものがある。
特に煙草の灰・煙に含まれる脂(やに)などで汚れると、検知できる精度が低くなる
③ 一般にキーボードほどの素早く正確な入力は不得意である。
④ 押しボタンと異なりクリック感がないので、入力動作がぎこちなくなる場合がある。
このため、アニメーションによる視覚効果や、音を出したり、振動を与えるなどのフィードバックが工夫される。

FA制御におけるタッチパネルの使い方

実際の工場でのタッチパネルの用途として以下のようなことがあげられます。

①操作表示盤としての用途

これはスイッチやランプの代替となるものです。
従来の操作操作盤は、押しボタンスイッチやランプ等を取り付けて、表示部や操作部としていました。
表示器は、このような操作パネル機能を電子化するものであり、文字情報の表示、 グラフィック情報の表示、タッチキーによる入力などの機能があります。
この機能を使うことによって操作盤のボタンやスイッチの数を減らすことができ操作の簡略化につながります。
また、配線や部品コストを抑えることもできます。

しかし、非常停止や手動で動かすためのスイッチは誤操作防止のためにも実際のハードのスイッチを 使用することをお勧めします。

図

タッチパネルは画面配列や動作が設定により自由に変えることができ、 一般的には、装置制御のシーケンサと接続されて利用されます。

②情報データ端末としての用途

これはタッチパネルの表示機能を生かした使い方です。
例えば、事務所や休憩所など作業現場から離れた場所に設置し生産状況や在庫状況などを管理することができます。
単に表示器画面で見せる場合や、メモリカード経由して、他のパソコンと相互にデータ受け渡しをする場合、表示器から、直接ネットワーク経由で、シーケンサやパソコンと情報伝送する場合など工場の見える化を実現するためにもタッチパネルは重宝されています。

図

 

今までタッチパネルについて説明してきましたが、実際に操作部におけるタッチパネルへの移行では、安全面も考慮しすべてタッチパネルで行うだけでなく現行の押しボタンやセレクトスイッチなどと併用して使用することをおすすめします。
また、タッチパネルにはここで説明した以外にたくさんの使用方法があります。現状操作盤等からタッチパネルの変更及びタッチパネル更新等を検討されている
場合などございましたらお気軽にご相談下さい。
制御技術G 齊藤