弊社では、今まで様々なCC-Link の技術情報を掲載してきました。
そこで今回は、CC-Link の極基本的な事についてCC-Link 協会の資料を基に掲載したいと思います。

1.CC-Link の構成要素

CC-Link で接続され、局番0~64が設定可能な機器。
以下に示す局種別があります。

マスタ局

制御情報(パラメータ)を持ち、ネットワーク全体を管理する局です。1つのネットワークには1台必要になります。局番は0に固定です。

スレーブ局

マスタ局以外の局の総称です。

ローカル局

マスタ局及び他ローカル局とn:nのサイクリック伝送及びトランジェント伝送が可能な局のことです。

サイクリック伝送とは、同一ネットワークの局間で定期的にデータ交信する機能です。

トランジェント伝送とは、他局シーケンサとの交信を行う機能です。
同一ネットワークおよび他ネットワークのシーケンサと交信できます。

待機マスタ局

マスタ局の機能が停止した場合、マスタ局の代行をしてデータリンクを続行させる局です。
マスタ局と同一の機能を有しており、平常時はローカル局として使用します。

インテリジェントデバイス局

マスタ局と1:nのサイクリック伝送及びトランジェンと伝送が可能な局のことです。

リモート局

リモートI/O局、リモートデバイス局の総称です。

リモートデバイス局

ビットデータ及びワードデータを使用できる局のことです。

リモートI/O局

ビットデータのみ使用できる局のことです。

接続ケーブル

CC-Link 専用のケーブル(シールド付3芯ツイストペアケーブル)を使用します。

終端抵抗

基本的にマルチドロップで接続します。但し、通信速度を 625Kbps 以下に設定するか、リピー タユニットを使用することでT分岐接続も可能です。
※今回は、リピータユニット、T分岐接続については省略します。

2. ネットワーク仕様(Ver.1.10 の場合の配線仕様について説明)

CC-Link のバージョンについて

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Ver.1.10 対応製品の識別方法

次に示す表示により識別します。

①「CC-Link 」のロゴマークを表示(機器本体、取扱説明書、カタログ、梱包など)

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②「CC-Link Ver.1.10 」とバージョンを表示(取扱説明書、名板、カタログ、梱包など)

Ver.2.00 対応製品の識別方法

次に示す表示により識別します。

①「CC-Link 」ロゴの近辺に「V2 」と表示(機器本体、取扱説明書、カタログ、梱包など)

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②「CC-Link Ver.2.00 」とバージョンを表示(取扱説明書、名板、カタログ、梱包など)

Ver.1.10 以上(Ver.1.10 , Ver.2.00)の機器にはVer.1.10 対応ケーブルの使用を推奨します。
システム全体をVer.1.10 以上の機器(Ver.1.10 , Ver.2.00)およびVer.1.10 のケーブルで構成した場合、以下に示すメリットがあります。

① 全ての条件で、局間ケーブル長は最短で20cmとなります。
隣接する機器の局種別の違いによるケーブル長の制約を考慮する必要はありません。

② ケーブル長の自由度が増すため、配線作業および機器を配置する場合の負荷が軽減されます。

③ 機器を隣接して設置する場合、余分なケーブル長を確保する必要がなくなり、スペース効率が高くなります。

④ 異なるメーカーのケーブルの混在が可能になります。
(注意) Ver.1.00 , Ver.1.10 , Ver.2.00 対応のユニットとVer.1.00 , Ver.1.10 のケーブルが混在するシステムの場合、最大ケーブル総延長および局間ケーブル長は、Ver.1.00 の仕様になります。

3.ネットワークの構成と仕様

通信速度とケーブル長

① マルチドロップ接続(Ver.1.10 )
全ての機器、ケーブルがVer.1.10 対応製品である必要があります。いずれかがVer.1.00 製 品の場合は、Ver.1.00 の仕様に従います。Ver.1.00 の配線仕様については文末を参照して下さい。

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Ver.1.10 対応 CC-Link 専用ケーブル(特性インピーダンス110Ωタイプ)

通信速度とケーブル長(Ver.1.10 対応 CC-Link 専用ケーブル使用の場合)

通信速度 156kbps 625kbps 2.5Mbps 5Mbps 10Mbps
局間ケーブル長 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上
最大伝送距離 1200m 900m 400m 160m 100m

通信速度とケーブル長(Ver.1.10 対応 CC-Link 専用可動部用ケーブル使用の場合(伝送距離70%品))

通信速度 156kbps 625kbps 2.5Mbps 5Mbps 10Mbps
局間ケーブル長 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上
最大伝送距離 840m 630m 280m 112m 70m

通信速度とケーブル長(Ver.1.10 対応 CC-Link 専用可動部用ケーブル使用の場合(伝送距離70%品))

通信速度 156kbps 625kbps 2.5Mbps 5Mbps 10Mbps
局間ケーブル長 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上
最大伝送距離 600m 450m 200m 80m 50m

通信速度とケーブル長(Ver.1.10 対応 CC-Link 専用可動部用ケーブル使用の場合(伝送距離30%品))

通信速度 156kbps 625kbps 2.5Mbps 5Mbps 10Mbps
局間ケーブル長 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上 20cm以上
最大伝送距離 600m 450m 200m 80m 50m

CC-Link 専用ケーブルと可動部用ケーブルを混在させる場合

次に示す式の範囲で、Ver.1.10 対応 CC-Link 専用ケーブルと Ver.1.10 対応 CC-Link 専用可動部用ケーブルを混在させることができます。

CC-Link 専用ケーブルの最大伝送距離

≧(CC-Link 専用ケーブル長)+(可動部用ケーブル長(伝送距離70%品))÷0.7

+(可動部用ケーブル長(伝送距離50%品))÷0.5

+(可動部用ケーブル長(伝送距離30%品))÷0.3

※Ver.1.10 対応ケーブル同士であれば、異なるメーカーのケーブルの混在も可能です。

4.接続関連機器の選定

ケーブル

CC-Link システムでは、CC-Link 専用ケーブルを使用して下さい。

CC-Link 専用ケーブルの仕様は下表のとおりです。(Ver.1.10 対応)

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絶縁体の色と接続端子の対応

絶縁体の色 機 器 側
DA
DB
DG
接地線(シールド) SLD

終端抵抗

Ver.1.10 対応 CC-Link 専用ケーブルに使用することのできる終端抵抗は、110Ω±5% 1/2Wです。

5.専用ケーブルの加工と接続

加工

次の表を参考にケーブルを加工します。なお、剥き長や端末処理方法は参考です。

シース剥き長 信号線被覆剥き長 信号線端末処理
50mm 3mm 圧着端子

① シース除去

シールドの網を傷つけない様に注意しながら被覆を剥いて下さい。
但し、短絡などの原因となりますので、あまり余分に剥きすぎないで下さい。

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② シールドの加工

シールドの網を丁寧にほぐします。信号線の他にむき出しのドレイン線(より線またはバラ)が1本あります。次のいずれかの方法でシールドを加工して下さい。

(1) シールド網を使用する場合

ほぐしたシールド網とドレイン線を一緒にしっかりより合わせて、絶縁チューブを被せて下さい。

(2) ドレイン線のみ接続する場合

余分なシールドの網を切り取り、ドレイン線に絶縁チューブを被せて下さい。

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③ 信号線の被覆除去

信号線の被覆を圧着端子に合わせて剥きます。剥き出した信号線は、それぞれしっかりより合わせて下さい。

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④ 圧着端子の接続

被覆を剥いた信号線、およびシールド線に圧着端子を接続します。

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⑤ 端子台への接続

圧着端子を接続した信号線を、端子台の各端子に接続し、端子ネジをしっかり締めて下さい。
各端子の名称と信号線の色の対応については次の表を参照して下さい。

端子名称 信号線の色
DA
DB
DG
SLD 接地線(シールド)

終端抵抗の接続

両端のユニットには、必ずユニット付属の”終端抵抗(110Ω)”を接続して下さい。

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シールド線の接地

  • CC-Link 専用ケーブルのシールド線は、両端を各ユニットの”SLD”に接続して下さい。
  • 各ユニットの”FG”は専用接地として下さい。
  • 接地工事はD種接地(第三種接地)として下さい。(接地抵抗100Ω以下)
  • 専用接地が取れないときは下図の共用接地として下さい。
  • 各ユニットの”SLD”と”FG”はユニットの内部で接続されています。

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接地に関する補足

接地の種類について

CC-Link 対応製品(機器)の接地をその目的別に分類すると接地の種類は、

  1. 感電や漏電からの人身保護を目的とする保護接地
  2. 通信の信頼性を確保するための機能接地

に大別されます。

CC-Link 専用ケーブルのシールド線の接地は、通信の信頼性を確保するための機能接地です。

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6. CC-Link Ver.1.00 の仕様

(1) 通信速度とケーブル長

システム中のいずれかの機器あるいはケーブルがVer.1.00 製品の場合は、Ver.1.00 の仕様に従います。

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通信速度とケーブル長(Ver.1.00 対応 CC-Link 専用ケーブル(特性インピーダンス100Ω))

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以上の通り、CC-Link(Ver.1.10) の基本中の基本の部分をまとめてみました。
初めてCC-Link システムを構築される方は、今回の記事とともに他の「CC-Link 」関連の記事を読んで頂きまして、参考にして頂ければ幸いです。

制御技術G 人見