シーケンサの操作キーを使い、回路を作成する場合において回路の表記の仕方が似ていましても、シーケンサのメーカーが違うだけで操作キーの使い方が違ってきますので混乱することがあるかもしれません。
今回は三菱のシーケンサと日立のシーケンサを使い操作キーの使い方、回路の組み方を比較しながら説明をします。

まず、シーケンサを使うにあたってシーケンス制御について知っておかなければいけません。

参照→PLC(シーケンサ)とは何か?

【使用するアプリケーション】

三菱・「 GX Developer 」
日立・「 S10ラダー図システム 」

今回は操作キーを使いながら説明をします。
マウスを使って回路を組むことも出来ますが、実際の現場ではマウスを使うスペースがなく、PC上の操作キーで回路の改造、試運転を行わなければいけない状況もあります。
ですので、回路を組む上でキー操作はとても重要な役割を果たしています。

三菱シーケンサ操作キー(GPPA形式) 日立シーケンサ操作キー
a接点 F5 a接点 Shift + A
a接点OR F6 b接点 Shift + B
b接点 Shift + F5 コイル Shift + C
b接点OR Shift + F6 立上りパルス Shift + U
コイル F7 立下りパルス Shift + D
応用命令 F8 ▼分岐回路▼
立上りパルス Shift + F7 Shift01 Shift + 1
立上りパルスOR Alt + F7 Shift02 Shift + 2
立下りパルス Shift + F8 Shift03 Shift + 3
立下りパルスOR Alt + F8 Shift004 Shift + 4
横線 F9 Shift05 Shift + 5
横線削除 Ctrl + F9 Shift06 Shift + 6
縦線 F10 Shift07 Shift + 7
縦線削除 Ctrl + F10 Shift08 Shift + 8
行の挿入 Shift + Insert Shift09 Shift + 9
行の削除 Shift + Delete 行の挿入 Shift + Insert
列の挿入 Ctrl + Insert 行の削除 Shift + Delete
列の削除 Ctrl + Delete 列の挿入 Insert
書込モード F2 列の削除 Ctrl + Delete
読込モード Shift + F2 部分コンパイル Ctrl + F8
変換 F4 一括コンパイル Alt + F8

回路を組む際によく使われる操作キーを例にあげてみました。
三菱と日立の操作キーでは、違う所が多々あることが見てお分かりになると思います。

例えば三菱にはORとついた名称の操作キーがあり、分岐回路の操作キーがありません。
日立も逆に分岐回路の操作キーがありますが、ORとついた名称の操作キーはありません。

三菱を使いながらOR回路の組み方とORについての説明

mitsubishi-hitachi01

押しボタンでランプを点灯させる回路があります。この回路にa接点ORの押しボタンを追加します。

yazirushi

mitsubishi-hitachi02

yazirushi

mitsubishi-hitachi03

変換(F4)をして完了です。
上記の回路がOR回路になります。

mitsubishi-hitachi04

mitsubishi-hitachi05

表1で,AがX0(押しボタンA)、BがX1(押しボタンB)、YがY0(ランプY)
0のとき、押しボタンの場合は押していないで、ランプの場合は点灯していない状態
1のとき、押しボタンの場合は押していて、ランプの場合は点灯している状態
AとBが0、0のときは押しボタンを両方押していない状態なのでもちろん、Yの出力は0のままなのでランプは点灯しません。
AとBが1、0のときはX0(押しボタンA)は押していて、X1(押しボタンB)は押していない状態です。
OR回路はAとBどちらかの入力が1になっていればYの出力は1なるのでランプは点灯します。
AとBが0、1のときは先ほどの説明のとおり、AとBどちらかの入力が1になっていれば、Yの出力は1になるので、ランプは点灯します。
AとBが1、1のときは押しボタンを両方押している状態なのでYの出力は1になり、ランプは点灯します。

日立を使いながらOR回路の組み方とORについての説明

日立にはORとついた名称の操作キーがありませんので
分岐回路の操作キーを使ってOR回路を組みます。

mitsubishi-hitachi06

先ほどの三菱の回路と同様に押しボタンでランプが点灯する回路にa接点を追加します。

mitsubishi-hitachi07

回路の下にX001(押しボタンA)を追加させます。

mitsubishi-hitachi08

カーソルをX001の右に移動させ、Shift + 3を入力します。

mitsubishi-hitachi09

カーソルを先ほどの場所から上に移動させ、Shift + 8を入力します。

mitsubishi-hitachi10

部分コンパイル(Ctrl + F8)をして完了です。
上記の回路が日立のOR回路の組み方になります。

このように1つの回路を組むのでもシーケンサのメーカ、シリーズが違うだけで操作キーの使い方が変わってくることもあります。
ですので、それぞれのシーケンサにあった特徴を理解することが重要です。
初めてシーケンサを使用する方などは、そのシーケンサのメーカーのマニュアルをダウンロードしたり、アプリケーションのヘルプを利用するのもいいかもしれません。

 

制御技術 松田