1.QD62とは
今回は「QD62」を紹介したいと思います。
D62とは高速のパルス列をカウントする高速カウンタユニットで外部のエンコーダと組み合わせて位置決めなどの制御を行うことが可能です。
最高計数速度の切換えが可能で、高速パルスから立上がり/立下がりの緩やかな低周波のパルスまでカウントが可能です。
システム構成図
QD62(E/D)の動作概要
①QD62(E/D)に入力されるパルスをカウントします。
②外部制御信号によりプリセット、およびカウンタ機能を選択を行うことができます。
③カウントの現在値と一致出力ポイント設定値を比較し、一致信号を出力できます。
④シーケンスプログラムにより、QD62(E/D)の入出力信号、バッファメモリ状態が確認できます。また、カウントの開始/停止、プリセット、カウンタ機能選択なおドを行うことができます。参考:三菱電機 高速カウンタマニュアルより
2.パラメータ設定、プログラム
*GX Works2による設定方法の説明
①PCパラメータ設定
②スイッチ設定
スイッチ設定項目参考図
項目 | 設定項目 | 内容 | 参照先 |
スイッチ1 (CH1用) |
パルス入力モード
0:1相1逓倍 |
パルス入力 モードを 設定します。 |
|
計測速度設定
0:10kPPS |
計測速度を 設定します。 |
||
計測速度設定
0:リニアカウンタ |
カウンタ形式を 設定します。 |
||
スイッチ2 (CH2用) |
設定項目はスイッチ1(CH1用)と同様です。 | ||
スイッチ3 | 設定なし(空欄) 設定が存在する場合は、空欄にしてください。 |
||
スイッチ4 | |||
スイッチ5 |
③プログラム例
ここで簡単にプリセット機能、現在値読出しのプログラム例を紹介したいと思います。
1.
プリセットでカウンタの現在値を書換えプリセット値からパルスカウントを開始させる場合。
図1
入力信号(信号方向QD62(E/D)→CPUユニット) | 出力信号(信号方向QD62(E/D)→CPUユニット) | ||||
デバイス No. |
信号名称 | デバイス No. |
信号名称 | ||
X0 | ユニットREADY | Y0 | CH1 | 一致信号No.1リセット指令 | |
X1 | CH1 | カウンタ値大(ポイントNo.1) | Y1 | プリセット指令 | |
X2 | カウンタ値一致(ポイントNo.1) | Y2 | 一致信号イネーブル指令 | ||
X3 | カウンタ値小(ポイントNo.1) | Y3 | 減算カウント指令 | ||
X4 | 外部プリセット要求検出 | Y4 | カウントイネーブル指令 | ||
X5 | カウンタ値大(ポイントNo.2) | Y5 | 外部プリセット検出リセット指令 | ||
X6 | カウンタ値一致(ポイントNo.2) | Y6 | カウンタ機能選択開始指令 | ||
X7 | カウンタ値小(ポイントNo.2) | Y7 | 一致信号No.2リセット指令 | ||
X8 | CH2 | カウンタ値大(ポイントNo.1) | Y8 | CH2 | 一致信号No.1リセット指令 |
X9 | カウンタ値一致(ポイントNo.1) | Y9 | プリセット指令 | ||
XA | カウンタ値小(ポイントNo.1) | YA | 一致信号イネーブル指令 | ||
XB | 外部プリセット要求検出 | YB | 減算カウント指令 | ||
XC | カウンタ値大(ポイントNo.2) | YC | カウントイネーブル指令 | ||
XD | カウンタ値一致(ポイントNo.2) | YD | 外部プリセット検出リセット指令 | ||
XE | カウンタ値小(ポイントNo.2) | YE | カウンタ機能選択開始指令 | ||
XF | ヒューズ断検出フラグ | YF | 一致信号No.2リセット指令 |
2.
バッファメモリから現在値を読み出す。
*現在値又はカウンタ機能選択カウント値を読み出す場合はDFRO命令を使用して2ワード一括で読み出してください。
バッファメモリ割付一覧表(図2参照)
図2
アドレス | 設定内容 | 初期値 *1 |
読出し/書込み | ||||
CH1 | Ch2 | ||||||
16 進 |
10 進 |
16 進 |
10 進 |
||||
0H | 0 | 20H | 32 | プリセット値設定*2 | (L) | 0 | 読出し/書込み可能 |
1H | 1 | 21H | 33 | (H) | |||
2H | 2 | 22H | 34 | 現在値*2 | (L) | 0 | 読出し専用 |
3H | 3 | 23H | 35 | (H) | |||
4H | 4 | 24H | 36 | 出力ポイントNo.1設定*2 | (L) | 0 | 読出し/書込み可能 |
5H | 5 | 25H | 37 | (H) | |||
6H | 6 | 26H | 38 | 出力ポイントNo.2設定*2 | (L) | ||
7H | 7 | 27H | 39 | (H) | |||
8H | 8 | 28H | 40 | オーバフロー検出 | 0 | 読出し専用 | |
9H | 9 | 29H | 41 | カウンタ機能選択設定 | 0 | 読出し/書込み可能 | |
AH | 10 | 2AH | 42 | サンプリング/周期時間設定 | 0 | ||
BH | 11 | 2BH | 43 | サンプリング/周期カウンタフラグ | 0 | 読出し専用 | |
CH | 12 | 2CH | 44 | ラッチカウント値*2 | (L) | 0 | |
DH | 13 | 2DH | 45 | (H) | |||
EH | 14 | 2EH | 46 | サンプリングカウント値*2 | (L) | ||
FH | 15 | 2FH | 47 | (H) | |||
10H | 16 | 30H | 48 | 周期パルスカウント前回値*2 | (L) | ||
11H | 17 | 31H | 49 | (H) | |||
12H | 18 | 32H | 50 | 周期パルスカウント今回値*2 | (L) | ||
13H | 19 | 33H | 51 | (H) | |||
14H | 20 | 34H | 52 | リングカウンタ下限値設定*2 | (L) | 0 | 読出し/書込み可能 |
15H | 21 | 35H | 53 | (H) | |||
16H | 22 | 36H | 54 | リングカウンタ下限値設定*2 | (L) | ||
17H | 23 | 37H | 55 | (H) | |||
18H ~ 1FH |
24 ~ 31 |
38H ~ 3FH |
56 ~ 63 |
システムエリア | ー | ― |
*1:電源ON時およびCPUユニットのリセット時に設定される初期値です。
*2:値の読出し、書込みは、32ビット符号付バイナリ形式で行ってください。(必ず2ワード単位で使用してください。)
今回はQD62でのパラメータ設定、プリセットプログラム、現在値読出しプログラムについて簡単ではありますが説明させてもらいました。
あくまでも参考としてみてください。
制御技術G 人見