以前、「PLCにおける入出力とは」 という記事ではPLCの入出力について説明いたしました。

今回は実際の工場ではどんな入出力が使用されているのか、特にBit信号(デジタル信号1か0で制御するもの、つまりONかOFFで信号を入力または出力する)のものを紹介させていただきます。
これから初めてPLC(シーケンサ)を勉強される方や今まで機械メーカーに任せきりだったPLC(シーケンサ)など生産機械のメンテナンスを扱うこととなった方々に少しでも参考になればと思います。

Bit信号の入出力とは一般家庭では、照明をつける為のスイッチのようなものになります。
PLCにてソフトを作成するに当り、動作のための条件というものが必ずあります。
例えば、コンベアで物が流れてきた時に作業する所でコンベアを停止させたいとします。
その場合に「物が指定された場所まで来た」という検出のためのセンサー等が必要になります。
そのセンサー等の信号がPLCの入力となります。
それが一般家庭で言う照明をつけるためのスイッチを入れるに値します。
出力は、先ほどのコンベアの例で言うとコンベアを動かすための信号になります。
コンベアを動かす場合、通常はモーターを用いるのですがこのモーターを動かすためのPLCからの指令が出力となります。
この出力で電磁開閉器のコイルをON-OFFさせモーターへの電源を入り切りさせます。一般家庭で言うスイッチを入れて照明がついた状態です。

実際の現場でよく利用されている入力機器

①リミットスイッチ・・・機械のストローク極限のための自動停止や位置検出に利用されています。
作動片が押されることで接点が開閉されるスイッチです。

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②誘導型近接スイッチ・・・センサーの中で物体の接近を非接触で検出するものを総称して近接スイッチと呼んでいます。
外部磁界の影響により、導体表面に発生する渦電流による磁気損失を検出します。
検出コイルに交流磁界を発生させて、検出体となる金属体に発生した渦電流によるインピーダンスの変化を検出する方式です。
一般的に金属など導体を検出します。
特徴として、非接触で検出できるため検出対象物の磨耗や損傷がないことや、無接点方式のため寿命が長くなるなどがあげられます。
主に、マシンの各部の位置検出などによく使用されています。

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③光電管センサー・・・近接センサーの一種で光電センサーは可視光線、赤外線などの光を投光部から信号光として発射し物体検出によって反射する光を受光部で検出し出力信号を得るものです。
特徴として、こちらも非接触で検出が行えるタイプです。
また、近接スイッチは金属などの外部磁気に影響するものに検出対象が限られますが、光電管センサはほとんどの物体を検出することができます。
主に、材料検出などに使用されています。

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④エリアセンサ・・・安全用途のために使用する多光軸の光電センサが付いており機械的なガードの閉鎖検出、人の危険区域への進入確認や安全回路の構築に使用します。

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⑤レーザースキャナ・・・周囲を光線(光学レーダー)を使用してスキャンする小型システムです。
レーザースキャナは、エリア・モニタリング(危険エリア防護)、危険ポイント防護、およびアクセス防護の目的で使用します。特徴として、監視エリアをパソコンで自由に設定できます。
また、作業状況に応じて監視のタイミングをPLCの出力にて自由に変更することができます。
主に、機械周辺の侵入やはみ出し検出、無人搬送車の衝突防止などに使われています。

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実際の現場でよく利用されている出力機器

①モーター・・・ファンやコンベアなどさまざまな機器を動かすために使用されています。電気エネルギーを回転運動の運動エネルギーに変換します。原理は磁界中に導線をおき、それに電流が流れます。
フレミングの左手の法則がモーターの動作原理として説明されます。
モーターをPLCからの出力で起動させるには、PLCの出力で電磁開閉器のコイルをON-OFFさせることによりモーターへの電源を入り切りさせ起動・停止します。

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②電磁弁・・・電磁石の磁力を用いてプランジャと呼ばれる鉄片を動かすことで弁(バルブ)を開閉する仕組みを持つもので、流体を通す管での流れの開閉制御に用いられています。電磁弁は応答速度が速いことが特長で、構造上、全開か全閉のいずれかの状態しか保持できません。一般的にマシンの一部の出戻りなどに使用されています。

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③表示灯・・・その名の通り表示するためのランプです。
非常停止や何か異常や状態を知らせるために使われており、音声も出すことが出来ます。

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このほかにもたくさんの装置が使われていますが、代表的なものをあげてみました。
ひとつひとつの部品の動きの組み合わせによって機械は動いています。
PLCでは動作の命令だけでなく情報(データのやりとり)も可能ですので生産管理などでも重宝されています。

動かしたい動作があるがどんな機器を使えばよいか分からない、入出力での疑問などがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

制御技術G 齊藤